工事区分
2023.12.04
工事区分で呼ぶA工事・B工事・C工事とは?
テナントビルでは、以下のような取扱いになっています。
A工事
建物の躯体に関わる重要な部分を行う工事。
●建物の外装や外壁の工事
●階段などを含む共用部分や
エスカレーター・エレベーター工事
●共用部に関する給排水管の設備工事
●消防設備(非常梯子や集中監視盤など)
これらを行う者をA業者と呼び基礎的な工事で
通常、ゼネコン工事とも呼ばれる。
オーナーが工事業者の指定を行います。
費用は貸主のオーナーが負担します。
B工事
共用部分またはテナント専用部分において
メンテナンスが発生する場所に関して
保守・入れ替えを行う工事です。
●空調設備(換気工事や建物に付随する集中エアコン)
●防災設備 (火報ベル・非常灯・誘導灯・排煙窓・スプリンクラー)
●共用部に関わる防水設備 など
●その他:稀にスラブ工事に関して
オーナーの指定業者が工事を行うもの。
この工事を行う者をB業者と呼びます。
テナント借人の負担工事となります。
通常、いくつかの専門業者が担当している場合と
一括で管理する管理会社の工事となっている場合もあります。
テナント店子である借主は指定料金で工事を
行う必要があり事前に工事範囲を確認し、
予算組を考えておく必要があります。
工事区分票をもらっておくと安心です。
C工事
躯体への改変に拠らない部分の工事。
主に専有部分の内装工事を指し、
●部屋割りの界壁の施工。
●コンセント・照明・ブレーカー増設工事。
●建具や家具類の設置や取付。
●厨房機器、冷蔵庫などの設置。
●階下への水漏れ防止の防水工事。
●壁や天井のクロス、床のタイルやカーペットなど
●会社名や各部屋の案内表記のサイン工事
当工事を行っている者をC業者と呼び、
テナント側が依頼した工務店や、
依頼先の設計士さんが依頼した工事店などが
行う工事内容を指しています。
費用交渉や支払いはテナント側に付随します。
尚、B工事とⅭ工事の区分は、
ビル管理の範囲がまちまちで、一定ではありません。
防災工事であってもⅭ業者が行うケースもあります。
B工事はオーナーに依存するため、Ⅽ業者のように
円滑に動いてくれるとは限りません。
指定日にしか工事してもらえないことも多く、
工事日程が大きく左右され影響を受ける場面もあるでしょう。
また、想定外の費用請求をされ予算が狂うことも
よく耳にする話です。
このような理由から、極力B工事を無くそうという
傾向が一般的に強いと思います。
賃貸借契約前に十分な下調べをし
契約前に設計士さんやⅭ業者などの専門家との
事前相談を行うのも賢明な方法かもしれません。